今回nutteに発注された製品はどのようなものですか
大人向けのスタイです。嚥下・摂食障がいの方や、その他様々な障がいや病気などで食事中に口から食べ物がこぼれやすい方向けの製品です。首元をしっかり覆うバンダナ風のスタイと、エプロンのような使い方が出来るスタイの2種類をお願いしました。
なぜその製品を作ろうと思われたのでしょうか。
言語聴覚士の資格を持っている友人と話しているときに「嚥下・摂食障がいの方たち用のスタイって可愛い生地の物が無いんだよねー」という意見が出ました。
それなら作ったら良いよなぁ…と思い、具体的にどういう物が欲しいのか聞き、ざっくりとしたイメージしかありませんでしたが作ることにしました!
余談ですが、実はその友人がTsubame spoon projectという嚥下・摂食障がいの方のための活動をしていて、私が布小物の企画をするということで、メンバーに入りました。
nutteを利用するに至った経緯を教えてください
小ロットで布小物や衣類を作ってくれる工場を探していました。
その時に他のサイトを発見したのですが、割と使いやすそうな価格設定ではあったものの…それでもまだ私たちにはハードルが高かったのです。
その時に、関連サイトでnutteを見つけ、「これだ!!!」となりました。
こういうものが欲しい。でも自分では作れない。誰か作ってくれる人さえいれば….アイディアがあっても縫製経験などが無いためカタチにできないので、縫製職人を探せるnutteを利用しない手は無いなと思いました。
更に一枚からの発注も可能。それも職人さんとの交渉で金額を決められるというところに惹かれました。
また、家庭を持ってらっしゃる方が自宅で作業をしてくれるというところにも魅力を感じました。外で働くことだけが仕事ではありませんし、家で出来るのであれば隙間時間で作って頂けるでしょうし、女性の働き方が多様化していくような世の中になったらいいなぁという思いから、発注を決めました。
実際にnutteを利用されていかがでしたか
初めは、職人さんの人となりがわかりにくいところが不安でした。「連絡マメにとってくださる方かな?」「私の言いたいことは伝わっているかな?」と。しかし、今回お願いした職人さんは非常に良い方で、連絡もマメにくださいましたし、こちらの細かい要望にも快く対応してくださいました。
実際に製品を見て、とても綺麗に作ってくださっていて感激しました。 特にスナップボタン付けが得意とおっしゃっていただけあり、スナップボタンが綺麗に縫われていました。スナップボタンで感動したのは人生で初めての経験でした!
今後もnutteを継続する場合、どのようなシーンで利用されますか?
Tsubame spoon project自体がまだ動き出したばかりなので、利用者の方の意見を取り入れた布小物作りをnutteでお願いする予定です
では、製品の企画・発注にあたりこだわった点を教えてください。
まず、お洋服のような感覚でスタイもおしゃれを楽しんでいただけるように、それから食事が楽しくなるような生地を選ぶところからこだわりました。機能性を重視することも大事なのですが、肌触りやデザインも色々選べたらいいと思うので、あえてコットンや麻の生地を使いました。薄い生地は二枚仕立てにすることで、水分の少ない物であれば沁みにくいです。
首元をしっかり覆うバンダナ風のスタイは首元から洋服の内側に食べ物が入りにくいようになっています。エプロン風のスタイは首元を締め付けられるのが苦手な方に向いているのと、介助の方がエプロンとして使えるデザインにもなっています。どちらもこぼれた食べ物を受け止めるポケット型に変形させることも可能です。
今後はどのような製品を作っていきたいですか?
年に数回、タイに行っているのですが、タイの生地や装飾品を使ったスタイを作りたいと思っています。(今回も少量ですがバンコクで買い付けた生地を使用しました。)障がいがあって、海外に行くことがなかなか難しい方もいらっしゃるので、身につけられるもので外国を感じていただきたいなぁと。
それから、障がいのある方は何かとお金がかかります。ですので、なるべくお買い求めしやすい価格で販売していきたい気持ちがあります。しかし、小ロットで作る私たちの規模では小売の生地を買うので精一杯なのです。お手頃な価格でオリジナルテキスタイルが作れたら、いつかそれを使ってスタイを作ってみたいですね。
それと、まだ時間はかかるとは思いますが、障がいのある方向けにお洋服も作りたいです。
nutteで、職人さんとの関係性を築かねば。と思っています。
Tsubame spoon projectは食べることをサポートするあらゆる分野の人が手を取り合い、
「みんなにおいしく」「みんなに楽しい」を届けるプロジェクトです。
中心メンバーは言語聴覚士・カフェオーナー・それと私です。
食べ物を食べる時に、
安全で美味しい料理はもちろんのこと、例えばかわいいランチョンマットが敷いてあったり、肌触りが優しくておしゃれなスタイを使えたり…そういう小さな「楽しい」や「嬉しい」を生み出して行きたいと思っています。
嚥下・摂食障がい。誰でもなり得る障がいです。健康な時は気づかないかもしれません。
しかし、自分や家族、周りの人たちがその状況に立たされた時、「美味しい嚥下食のレシピがあったな」「かわいいスタイを扱っているところがあったな」と、ふと思い出してもらえるようにコツコツと活動してまいります!
食べることの楽しみを、スタイから叶えるTsubame spoon projectさん。nutteによって作られた商品で、食卓に笑顔を添えられたら最高ですね!
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